「段取り力を手に入れたい」
「脳の働きなど、人間の特性を理解・利用しながらうまくものごとをすすめたい」
そんな風に思っていたときに、「考える力をつくるノート」を見つけました。知りたい内容に、ドンピシャな本でした。サラッと読めたけれど、参考にする部分が多かったので、本の紹介と今のところ感じた変化(実践して2日だけど)をまとめてみます。
9人の授業 9つのプレゼン
上の表現が、本書の雰囲気を伝えるのにぴったりではないかと思います。
まず、読んで解釈したうえで、本の内容をざっくり分類すると次のような感じのイメージでした(本の分類とは異なります)。
・脳の特性を活かす方法
・思考法、問題へのアプローチのヒント
・他から抜きんでる「自分」をつくる方法
・生き延びるための心理学
そして、これらのトピックは、脳科学者、コンサルタント、経営者、新規授業プロデューサー、精神科医など、異なる分野の9人がそれぞれ紹介します。
それぞれの分野を、9人の論旨を加えつつさらに具体的にすると、
<脳の特性を活かす方法>
・自分の才能を引き出す5つの方法 (茂木健一郎)
・脳にいい生活習慣 (築山節)
<思考法、問題へのアプローチのヒント>
・「自分の頭」で問題解決をする「地頭力」 (細谷功)
・「最小の労力」で「最大の効果」をあげる「仮説思考」 (内田和成)
・「暗黙知」などの「ライフハック」術 (小山龍介)
・相手の力を借りて目的地にたどり着く「クリエイティブ合気道」 (箭内道彦)
<他から抜きんでる方法>
・努力をし、信用を高め、経済成長への危機意識を高める (丹羽宇一郎)
・「自分ブランド」を作る (藤巻幸夫)
<生き延びるための心理学>
・心の病の変遷、心の整理をするために (香山リカ)
みたいになると思います。丹羽さん、香山さんは、どうしてもうまくまとめられませんでしたが、それ以外は、なんとなく誰が、どんな内容の話なのかのイメージはつくのではないでしょうか。
読んで感じた本のメリットは、本の厚みに対してはサラッと読めるところでした。9人の著者の内容が、普通の厚みの本1冊にまとめているため、それぞれの伝えたい内容が凝縮されています。そのため、著者の著作を読みたい人にとっては、導入の知識としてちょうどよいと思います(逆に言うと、著作を読んだことのある人にはものたりないかもしれないです)。
また、はじめに書いたように効率性、段取り力を上げたい人にもピッタリだと思います。例えば、効率性に対するアプローチにも、思考術、脳科学的見地、ライフハック術と、異なる視点を1冊でサクッと要点だけつかめます。私の場合、雑誌の特集のようにポイントがまとまっていて、すぐ実行できる内容の知識を必要としていたので、本の内容はそれに近く便利でした。
印象に残っている箇所、小さな変化(実践して2日だけど)
一番印象に残っている文は、「脳は休まなければいけない!」でした。文はそのあと、こんな風に続きます。
まず、はじめに知ってもらいたいことは「脳は長時間働けない」ということです。(中略)
気づいてあげてください! 疲労感は、脳の健康にとって重要な”シグナル”なのです。
たとえば、「眠い」というのは、脳が疲れているという状態です。あくびが出たり、集中力が低下してイライラする。まぶたがぴくぴくする……。これらの兆候も脳が疲れているサインです。こういう場合は、疲れの程度によって、睡眠、数時間の休養といった疲労回復の時間をとってください。
いつからか、疲労感は常にありました。疲労感があることが当たり前で、いつからか「そういうもんなんかな」と思っていました。でもこの文を読んでから、意図的に休むようにしています。たとえばライティングをするとき25分集中、5分休むというサイクルを繰り返すようにしています。5分でも休息をすると頭がスッキリし、集中力が長時間持続する感覚があります。この章と、もう一つ脳の章の内容を全体的に参考にするようにしたら、脳とうまく付き合う方法がほんの少し見えてきました。
一番大きな収穫は、やり方を知っていることで、かなり「楽さ」が生まれたことだと思います。「25分作業を続けたら、5分休む」というようにかなりシンプルなことなのに、生産性が上がり、イライラが減って健康的な脳の使い方をしていることを実感します。
さいごに
私の例は少し極端でしたが、本には様々な見地からの「こういう仕組みだから、こうするといいよ」「こんなふうにすれば、うまくいくよ」という考え方の「コツ」が書かれています。
「地頭力って気になってたんだよな」「茂木さんの本に興味がある」…など、ちょっと気になる単語があったり、著者がいた場合は、読んでみると面白いと思います。上の例はまさに私のことで、ずっと地頭力に興味があり、茂木さんの本を読んでみたかったので、とてもいい導入本になりました。
読んでくださって、ありがとうございました。
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