「仕事は楽しいかね?」という本。自己啓発の本棚で一度は見たことがある人が多いのではないでしょうか。もしかしたら、この表紙のおじいさんで認識している人も多いかもしれません。
私も長年本の存在は知っていたのですが、読みたいと思ったことはありませんでした。「楽しいかね」という問いかけと、表紙のおじさんの雰囲気がどうも好きになれなくて…。でも先日Amazon Primeで読み放題の書籍の一覧を見ていると、この本の漫画本を発見! 読みたいとは思わなくても、長年なんとなく気になり続けていた1冊だったので、漫画なら…と先日ふと読んでみました。そしたら、おもしろかった…。表紙のおじさんのイメージ、漫画にはなかった…。過去の自分の決めつけに後悔…。
読んでよかったなあと思えた本だったので、今日は感想を書いてみようと思います。
本の内容はAmazonから引用させてもらいます。
デザイナーを夢見ながらカフェでアルバイトを続ける奈津。漠然とした不安と焦りのなかで、気がつけば32歳。不思議な老人マックスとの出会いをきっかけに、今いる場所でできることを試し始めることで、新たな夢へとつながっていく―仕事観を揺さぶる魔法の本、ついにまんが化!
本の根幹のメッセージは「変わり続けること」にあると思います。「今日の自分は、昨日の自分とは違う新しい自分になる」。本ではそれを仕事で当てはめるとどうなるかということを、奈津という主人公の人生と、主人公の働くカフェの状況を描きながら伝えていきます。
私が本を読んで感じたことは、次のようなことでした。
目指すのは何かを大きく変えることでも、何かを成功させることでもない。変化を起こすこと、それ自体が大切なんだ。
本を読んで響くところは人によって違うと思いますが、私の場合「変化を起こす」というところが一番響いてきました。それは私に「変化を起こしたいとは思っているけど、結局起こしていない」という背景があったからだと思います。
私の場合は、何かを書きたいなあという漠然とした思いがありました。でもその反面で頭の中では、書くならばしっかりと完成されたものを作らなきゃとか、言いたいことが明確じゃないととか、いろいろな理屈が頭のなかをぐるぐるしていました。結果的には「こうすべき」「こうあるべき」の思いが肥大化して、書きたい思いはあるけど理屈に思いがのみこまれて結局書かないというのが常態化していました。
本書はそんな状況のなか読みました。漫画の内容自体は、そんなうまくいかんだろと思うところもあるし、こんな恵まれた環境ないよと思うところもあります。ただ、解説文のなかで要所要所突き刺さる言葉がありました。
いくつか引用させてもらいます。
「仕事がつまらない」「毎日が単調に過ぎていく」————そんなふうに感じている人は、おそらく知らず知らずのうちに自分自身も進んで単調な行動をしているはずです。 (中略)「単調な毎日」といっても、まったく同じ一日というものは存在しません。自分の体調や天気、社会情勢、同僚の服装、職場で交わされる会話、その日会うクライアント、前日の夜に見たテレビ———日々、さまざまな変化が自分や周囲に起きているはずです。同じように見えている風景は、実は違うもので、単に自分が「同じように」見ているにすぎないのです。
試してみても、すべてがうまくいくわけではありません。もちろん、失敗することは何度もあるでしょう。しかし、何かを試してみる限り、試す前と同じ場所に戻ることは絶対にないのです。試す過程で、必ず何かを学ぶのですから。
これらの説明を読んだときは、ハッとしました。特にはじめの引用は、「ああ、そうだなあ」としみじみと納得してしまいました。気づきそうなのに気づかない。色眼鏡をかけていたことにはじめて気づきました。
本を読んで「出発地点はへたでもなんでも、とにかく『何か』を始めてみることなんだ」と素直に思いました。私の場合であれば、考えあぐねながら1日1日を過ごすより、見切り発車でいいからなんでも書いて、いろんなところにぶつかって、そこからもっとしっかりしたものをつくっていけばいい。書かない限り何もはじまらない。そんな気づきを与えてくれました。そして結果的に、ずーっとはじめたいなあと思いだけで止まっていたブログもこうやってはじめることができました。いろんな意味でいいきっかけになった一冊です。
Amazon Primeを利用している人で、私のように本のタイトルに何か思ったり、なんとなく気になっている人がいたら、読んでみるのもありかもです。1時間もかからずに読めるくらい、サクサク読める内容でした。
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