多読を続けて1年7か月、失敗を経て気づいたこと

未分類

「1年、2年と多読を続けたらどうなるのだろう、どこまで行けるのだろう」

多読を始めるときの疑問でした。あれから1年7か月が経ち、私は何を得たのだろうと考えました。するとかなり「なんとなく」な成果しか得ていませんでした。掲げた目標には近づいていません。

そこで今日は、続けることで気づいた「もっとこうすればよかったんだ」について書いてみます。先に答えを書くとそれは、「多読の目的を明確にしながら、目標と今をつなげる」ということでした。

多読に興味がある人、多読を通じてライティング力をあげたい人に読んでもらえたらうれしいです。

最初にこれまでに何をして何を得たのかをまとめ、その後に「こうすればよかったんだ」の部分を書いてみます。

何をやってきたのか 多読素材・多読量・費やした時間

(多読の素材・多読量)

1年目は多読素材の定番「Oxford Reading Tree(以下ORT)」「I Can Read(以下ICR)」→1年過ぎたころ「Paddington」シリーズ2冊→数か月前から、コメディアンの自伝本3冊

読んだ総文字数は、自伝の文字数がわからないのでわかりません。でも、40万語程度くらいには達したのではないかと思います。

(多読に費やす時間)

ORTの初級段階では1日3冊10分未満くらい、レベルが上がってからはORT、ICRともに1日1冊で10~20分程度。Paddington、コメディアンの自伝は1日10分程度。ここ1か月くらいは、1日最低2ページ程度。(最低ラインのルールは疲れている日は、最低一文でも読めばOK)。なのでならすと、1日10~15分程度だと思います。多読の本によると、これでは短いようです…。

 

多読を始めたきっかけ、当時の目標

実は、大学時代の専攻は英語でした。でも、自分の英語力に後悔が残っていました。もっと自分の言いたいことをしっかり伝えられるようになりたい、前置詞が苦手で正しい文が書けないのを直したい…そんな思いがありました。「幼児向けの本を読むのに気は進まない。だけどどこかから始めないと、私はずっと同じ後悔し続けるだろう。とりあえずやろう」と、藁にもすがるような思いで始めました。

そのときの目標は、名作小説を原著で読めるようになる、自然な英文を書けるようになることでした。ネイティブとフェアに話せるような英語力が欲しいという思いも、間接的にあった気がします。

 

結果、目標達成度、そこから見える私の問題点

では、そんな目標に対して私はどこに行けたか。

「コメディアンの書いた洋書はなんとなく読めるようになり、自分のなかのイディオムのストックは前よりなんとなく増えた気がするよ」

これが正直に感じたことでした。すべてが「なんとなく」でしかないのです。1年半以上続けてるんだから、もっとあるだろ? と思いましたが、なかった…。

なぜ、こんなことになったんでしょうか。

私の一番の問題点は「多読をする」という行為が、いつの間にか「目的」になっていたことにあると思います。仕事から疲れて帰ってきたとき、「本を読む」ことだけで精いっぱいでした(職場にはバイクで通勤し、従業員全員でお昼を食べる職場で、仕事前・休憩中に読む時間はとれませんでした)。そしてこの「とりあえず読め」が当たり前になると、本来の目標は少しずつ「考えたくないもの」に変化しました。

さらに突っ込むと、イディオムについてもその表現を「見ること」に慣れただけ。自分のなかで、使える表現にはなっていません。英語で日記を書いていて、「見ることに慣れた」表現は使っていましたが、それらが合っているかは定かではない。昔勢いで買ったジェーン・オースティンの「高慢と偏見」が手もとにありますが、読めるとも読みたい! とも思えない。何も目標に近づいていませんでした。

モチベーションは低く「読めばOK」としてしまい、どこに向かうでもない多読迷子になっていました。

 

ここから言えること どのように多読に取り組むべきか

努力が目的にしっかりと向かっていなければ、得るものは「なんとない」ものでしかない。書いてみると当たり前ですが、それが学んだことでした。その経験から得た教訓は、次の2つです。

1.多読を始める目的・目標を明確にし、意識しながら多読を続ける
2.「目標」と「今」をつなげてみる

1に関しては、英語学習法でよく言われることです。多読の場合、特にその傾向が強いかもしれません。多読は「読む」という行動はともなっているので、それだけで満足してしまいやすい気がします(もちろん数をこなすことが目的ならばそれでよいのですが)。

2に関しては、「今」と「未来」を地続きにして、「今、少しでも目標に近づいている」という状況を作るためです。これで多読迷子にならない! ここ数日、ライティング力・スピーキング力を上げるという目標に対して、次の取り組みを始めてみました。

・多読で読んだ文章で使えそう・使ってみたい文章を、キンドルのハイライト機能を使ってストック→毎日一瞬でもいいので、ハイライトした文を見る→使えそうなら英語の日記で使ってみる
・読んでいる文章がいまいちわからないとき、音読して理解しようとしながら読む

また直接は関係ないですが、好きな英語のPodcastも毎日聴くようにし始めました。読む、話す、聴くを組み合わせることで、より自然な表現も見につきやすいのではないか、という仮定(もしくは願い…)からです。

試してまだ数日ですが、めんどくさがりながら数文だけ書いていた英語日記の文が長くなりました(笑)。「使える表現はないか」とめざとく探すようになりました。書きながら、なぜ私は英文を書けるようになりたいのに、英語の日記を真面目に今まで書かなかったのだろうと疑問になりました。本当に本末転倒なことばかりしてました…。

 

最後に

書きながら、果たして多読の目的が「読む」こと以外の人ってたくさんいるのかな、と疑問になりました…。いるといいな…。

失敗談ばかりですが、私はそれでも多読を始めてよかったと思っています。一つには「なんとなく」でも、原著を読み始めることに抵抗が少なくなり始め、のろくても「どこかに向かい始めてはいる」ことを実感できるからです。

さらに、これは副産物(?)ですが、「毎日続けられる」という自信も生まれました。「最悪、一日一文でいいから頑張れ」が私のマントラで、1年目は毎日本を開きました。一文はさすがに少ないですが、それでも「1年は365日あって、そのすべての日で同じことを繰り返した」というのは、継続性のない私にとっては大きなことでした。多読は、継続力を養うツールとしてもおすすめだなあと感じます。

失敗談ばかりでしたが、時間をかけて失敗してるので(?)結構リアリティがあると思います。もしこれから多読を始める人がいたら、是非同じ穴に落ちないでください! 失われた時間は長かったですので…。

最後に、この本もおすすめです。多読を始めた後に読んだのですが、始める前に読めばよかったと後悔した1冊です。

読んでくださってありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました