こんまりメソッド実践直後の、心理的・行動上の変化

先日、1週間かけて部屋をひっくり返して、こんまりメソッドに挑戦しました。シュレッダーが壊れており、紙ごみは部屋に大量に残っています。けれどそれ以外は部屋がすっきりして、片づけの前と後で気持ちもだいぶ変わりました。

試してみて、感じたことはいろいろあります。そのなかで今日は、実践直後の心理的・行動上のいくつかの変化についてまとめてみます。

 

自分の価値観が明確になる

片づけのあと残るものは、自分がぼんやり好きだと認識していたものばかり。ぼんやり「自分ってこういう人間だよな」と思っていた部分がくっきりとして、自分が大切にしているもの、価値を置いていることが明らかになりました。

例えば、多く残ったものは亡くなった祖父が小さいころくれた木工製品の置物や小物類。祖父が大工で木のものに囲まれて育ったため、木工製品が好きで愛着があります。小物のなかでプラスチック、陶器類、人形などは処分したものも多いけれど、木工製品だけは大半を残しました。なんとなく木でできたものが好きなことは知っていたのですが、片づけを経てくっきりと自分の好みを認識するきっかけに。

また「価値観」という観点では、以前からミニマリスト寄りだったけれど、よりその方向に進もうと思う機会に。ものがすくない空間のほうが落ち着くことに気づき、ほんとうに必要なものだけ大切にして生活していきたいなと今は感じるようになりました。

 

意識が「昔」から「今」にうつる

私は近藤さんの著書の『イラストでときめく 片づけの魔法』を読みました。こんまりメソッドは片づける順番があります。衣類、本類、書類、小物類、思い出の品の順です。本のなかでも衣類→本類…の順で章立てされ、服ならトップス、ボトムス、ワンピース、靴下…とそれぞれの片づけのコツが解説され、片づけをしながら読み進められます。

本では衣類、本類など片づけ対象が変わる、つまり章が変わるとき、近藤さんのコメントが1ページの真ん中に数文だけ書かれたページが2ページ続きます。思い出の品の章の前の1ページ目のコメントは、こんな風に始まります。

結局、捨てられない原因を突き詰めていくと、じつは二つしかありません。
それは「過去に対する執着」と「未来に対する不安」。
この二つだけです。

思い出の品の片づけをしているとき、ほんとうにこの言葉の通りだなと感じました。

人にもらったものや、大切な人にもらったものは、処分したい、したほうがいいとわかっていても、処分しづらかったです。なぜ捨てられないのかと考えたとき、私の場合は、過去のよかった時間がなくなってしまうように思えたり、同時によかった思い出にすがって未来の不安を見ないようにしているところがあるからでした。でも執着や不安に気づき「そのときはもう終わった、過ぎたんだ」と理解することができたら、自然と手放すことができました。そうしたら、自然と視点が「昔」ではなく「今」に向かうようになっていきました。

また前の項で書いたように、自分の関心や価値観が明確になります。そのため、今までは埋もれてた「自分のこうしたい」に自然と近づこうとするようになります。

本では、はじめに課題が出されます。「どんなおうちで、どんな暮らしをしたいのか、理想の暮らしを考える」というものです。私は片づけを始める前、こんな部屋で過ごしたいというイメージがいまいち浮かんでこなかったです。でも片づけ終わってから、次第にイメージがわいてくるようになりました。

この例をはじめ、結果的に、片づけることで意識が自然と「今」と「未来」に向くようになった感覚があります。

 

気持ちがよい、心地がよい

目でとらえるものの影響力の強さを実感します。

まず、部屋がきれいになって、部屋のごちゃごちゃがなくなって単純にすっきりします。

それから部屋のなかに「なんとなくいやだなあ、気になるなあ」と思うものがけっこうありました。日々使う食器には好きだけど割れ目が多いものも多く、使う度になんとなくモヤッとしていました。思い切って処分し大切にしたいものを新たに使うようにしたら、心地がよいです。そういう「なんとなくいや」を全部なくし、こうすると落ち着くを増やしたら、生活空間が前より好きになり、心地よい時間が増えました。

 

ものを大切にするようになった、買うものを選ぶようになった

必要だからと「とりあえず」「なんとなく」買ったものは、ないと困るもの以外は処分しました。「とりあえず」買ったものは好みじゃないけど、そのときないと困るから、という理由で買ったものが多いです。そのため、ものに対する「ときめき」はなく残したいという感情も起こらず、結果的に処分する方向に。

ものによっては、使えるのに処分することを選んだものもたくさんありました。

歳を経ているから変化はあるとはいえ、捨てるというのは精神的にけっこうこたえました。

ただ、だからこそ、もう今回のようにものを捨てたくない、ほんとうに必要なもの、長く手元に置きたいと思うものだけを手元に置き、大切にしようと思うようになりました。そのため、「とりあえず買おう」は減り、なにか代用できないか? ほんとうに必要か? を前より考えるようになったと思います。

 

さいごに:こんまりメソッドに対して思うこと

本のエピローグの最後にこんな言葉があります。

もし今、あなたが、日々心になんとなく感じている不安があるのなら、私はやっぱり、片づけすることをおすすめします。

私は現状を変えなければ! という思いと、「自分の部屋、なんとなくいやだな」という気持ちが募って、片づけを始めました。

近藤さんは著書のなかで、こんな風に書かれています。

「片づける」ということは、イコール「これまでの人生に片をつけ、人生の次の準備をすること」。
つまり今のステージに片をつけることで、人生の次のステージが訪れるのです。

その通りだと感じました。

片づけを通じて、自分に対する理解が深まった気がします。ときめくもの、残したいと思うものを残す過程で、自分が大切だと思っているもの・ことが必然的に見えてきます。そうして片づけを起点として、これからどうしていきたいかがほんのすこし見えてきました。

私はこんまりメソッドがなんとなく頭の片隅で気になって、なんとなく片づけをしたほうがいいんだろうなと思っていて今回勢いで試しました。私には合っていて、心理的な効果も大きかったです。

ときめきを大切にするというアプローチは、合う人と合わない人がいる気がします。ただ、私と同じようになんとなく気になるんだよな…という方は、近藤さんの著書を読んだりされるのもいいのではないかと感じました。

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