CouchsurfingのMeet UpとEventという使い方

「海外旅行するとき、もっと現地の人の話聞きたいよなあ」
「せっかく首都圏にいるんだから、外国の人ともっと交流したいんだけどなあ」

海外旅行に行くとき、首都圏に住んでいるとき、上のように思っていました。海外に行くときは、普通に観光地ばかりめぐる旅を考えては、「なんか違うんだよなあ。でもどうやって現地の人に出あえばいいんだろ」と思い、首都圏に住んでいたときは、外国人と交流したいけれど、いまいちどこに行けばいいのかわかりませんでした。

私以外にも、こんな風に思う人はいるんじゃないかと思います。今日書こうと思っているCouchsurfingのMeet Up、Event機能は、上の願いにいくぶんか沿ったものでした。私自身が知ったのは、首都圏から離れ、海外旅行によく行っていた最後のときでしたが…。

ただ、手放しで「オススメ! 」とも正直言えないところもあります。そのあたりが中途半端なのですが、今日はそのあたりをひっくるめて、私の感じることをまとめてみたいと思います。

 

まず、Couchsurfingとは…

 

Wikipediaの言葉を借りるなら、「無料国際ホスピタリティー・コミュニティー」ということです。平たくいうと、海外に旅に出る人と現地の人を結びつけるSNSのようなものです。

今回書こうとしているのは、そのなかのEvent、Meet upについてですが、本来Couchsurfingとは「カウチ(=ソファ)」の「サーフィン」。つまり、旅行者が外国に行くとき、現地の人の家に泊めてもらって交流を深めるという機能が主です。今人気のAirbnbとの違いは、そこに料金が発生するかということで、Couchsurfingの場合、宿泊料は発生しません。

 

Meet upとEventという使い方

Meet Up

「旅行している外国人と知り合いたいけど、家に泊めるのは…」という人も多いと思います。そんなときに便利な使い方の一つが、Meet Upというもの。

細かい登録方法の説明は割愛しますが、Couchsurfingに登録するとき、プロフィールや居住地を設定するほかに、「Hosting Abailability」を設定する欄があります。

そのとき、選択肢の1つに、「Wants to Meet Up」という選択肢があります。これを選べば、宿泊場所は提供できないけれど「会いたいよ」という意思表示になり、旅行者から連絡が来る可能性が生まれます。

またこれは自分が海外に行くとき、宿は決めてあるけれど現地でローカルの人と交流したいというときにも使えます。方法としては、「Find Host」に滞在場所を入力して検索し、検索結果画面右下にある「More Fliters」をクリックします。

そして、「HOST INFO」の箇所の選択を「Want to Meet Up」にします。この欄で性別、最終ログイン日なども選択することができます(最終ログイン日が、最近の人ほど返信が早いので先に設定しておくのも便利です)。

こうすることで、はじめの例とは逆に、宿泊場所は提供できないけど会いたいという意思を持った人を探すことができます。

Event

「Meet Up」は、人との連絡のやり取りが必要になります。それに対して「Event」の多くは行きたいイベントの参加ボタンを押せばOKというシンプルなもの。

Couchsurfingトップページの検索窓で「Explore」「Find Hosts」などがあるなかで「Event」を選択し、行先を入力します。行きたいイベントを探して、もし行きたいものがあれば「Join」ボタンをクリック。イベントによっては、企画者にコンタクトが必要な場合もあるので、その場合は追加で連絡も入れます。

 

気を付けたいこと

ここから、はじめの中途半端な部分が出てきます。手放しでCouchsurfingを推しづらい理由は、Couchsurfingにまつわるトラブルが関連しています。ネットでCouchsurfingと検索すると、主に女性が男性の家に泊まって起きたトラブルがでてきます。これはSurf/Hostをする場合に重要になることだと思いますが、たとえ一時会うだけでも、見ず知らずの人に会うときは気を付けるに越したことはありません。

そのため、もしこの投稿を読んでMeet UpやEventに興味を持って下さった方がいた場合、以下の点に気をつけることも大切だと思います。

<Eventの場合>

・内容をしっかり読み、参加者・場所にも注意を払う

読んでいると、首をかしげたくなるイベントもときどきありました…。

<Meet Upの場合>

・連絡をくれた人・連絡をしようと思っている人の紹介文をしっかり確認する
・Referenceをしっかり確認する

Couchsurfingでは、Host/Surferをした人、Meet Upで出会った人、Eventで出会ったメンバーに対してPositive/Negativeで評価、コメントができるシステムがあります。出会いがいまいちだったとしても、嫌なことがあったとしても、あえてそのことを書くのは勇気がいります。そのため、書かれている情報が真正面から信用できるかには疑問は残りますが、それでも参考にはなります。

女性が男性から連絡を受けた場合で、その男性のReferenceを書いたのが女性ばかりであれば、警戒が必要かもしれません。またReferenceがまったくない場合も、少し気になります。私は女性ですが、以前Referenceがない男性から連絡が来ました。迷いましたが直観的に「断ろう」と思い、理由をつけて断ったことがあります。もしくはReferenceはよくても「直観的に会いたくない」と思ったら会わない、という選択も大切だと思います。

女性の場合、行くイベントが夜であればそのイベントへの警戒、Meet Upで異性と会うのであれば、その時の警戒はしてもし過ぎることはないと思います。

実際、日本・海外で使ってみて感じたメリット・デメリット

Eventのよいところは、企画者への事前の連絡が必要なものでなければ、すぐに行けるということ。一人でバックパッカーとして海外を旅しているときは、その日の気分で行動を決めたいときに重宝しました。

これと対比になるのですが、Meet Upはある程度事前に、会いたい人に連絡する必要があります。そのため、事前に旅程をある程度決めていない旅には適しません。

また双方のデメリットになるのですが、大都市ではEventの開催、Meet Upを希望する人は多いけれど、地方だと少ないです。これは海外でも、日本でも同じように感じます。私は今地方に住んでいますが、開催されるイベントは、皆無でした…。

 

もっとざっくり思うこと

自分のCouchsurfing遍歴を振り返ると、正直Surfに比べると、Meet UpやEventは出会った人との関係性は築きづらいと感じました。EventやMeet Upでは、Surfより共有する時間が短いことが理由の一つだと思います。そのため正直なところ、「外国人と連絡を取り続けたい!」という思いがあるのだとしたら、SurfもしくはHostになる方が関係性は築きやすいと思います。ただどちらも相性の問題があるので、一概にはなんとも言えず、あくまで上の思いは私の体験談です。

それでも、いずれにしても、Meet UpやEvnetの方法を選択肢として持っておくと便利だとは感じています。

一人でバックパッカーをしているとき、一人旅は楽でよかったです。ただ「観光地を誰かと回りたいな」だったり、「現地の人と話してみたいな」という気持ちがわいてくるときがありました。そういうときに、誰かと一緒に一時を笑って過ごせるというのは結構救われます。私はフリーウォーキングに1回参加して、会った人と連絡はそれから取っていませんが、それでもその体験は今もいい思い出になっています。

それは、海外の旅以外でも似たようなところがあると思います。日本でMeet Upで連絡をもらって、地元を案内したことがありました。自分とは異なる文化を持った人と話すことで触発されたり、自分の文化を見直すことにつながりました。

 

最後に

知らない人に会うというところで、リスクはあるのも事実です。ただ、書いてある情報を注意深く見極め、余裕をしっかり持てばCouchsurfingは便利なツールにもなると思います。

「外国の人と知り合いたいんだけど、なんかいいツールないかなあ」という方に、よかったら見てみてほしいです。Meet Upの場合はログイン日が新しいと検索されやすいのか、ログインをまったくしていないときよりよく連絡がきました。なので、Meet Upを利用する場合は、ちょこちょこログインすると、連絡が来やすいかもです!

読んでくださって、ありがとうございました。

面白い英語のPodcastを探している人に聴いてほしい「WTF with Marc Maron」

「BBCのGlobal News、毎日きくのしんどい」

毎日英語を聞こうと頑張っていたとき、思ったことです。タイトルのPodcastは、その後たまたま見つけたものでした。スピードは速いです。でも、内容が面白いので一時期は毎日聴いていました。興味のあるなしで、こんなに変わるんだと感じました。

冒頭のように思うことがあった人がいたら、面白いPodcastを探している人がいたら、是非タイトルのPodcastを聞いてみてほしいです。

WTF with Marc Maronとは

WTFは、アメリカのコメディアン、マーク・マロンが自宅のガレージにゲストを招き、ゲストとの会話を放送するプログラムです。ゲストはコメディアンが多いですが、他にも俳優、歌手、作家、映画監督など、多くのクリエイティブ業界に身を置く人が登場します。なんと過去には、オバマ大統領も出演しています。写真の右側がマークです。

会話の多くは、マークがゲストの生い立ちについて質問する形で始まります。ゲストは多くの場合、自身が出演、制作した作品の宣伝をかねてやってくるので、対話では作品ができるまでの背景、思いにも話が及びます。

「親近感」

聴き続けて感じるPodcastの最大のよさは、「会話をそのまま聞いているような身近さ」にあると思います。このPodcastは、よくあるゲストを招いてQ&Aで進行する「インタビュー」形式とは違って、普通の「会話」が主体となっています。自然な流れで会話が進むので、結構な頻度で会話の後半部ではゲストが自然体で話しているように感じられます。また、ゲストが何を思い今のキャリアを選んだのか、何を考えているのか、どんな人生観なのかなのかを、会話の自然な流れで知ることができます。

10人いれば、10人の異なる人生があります。それぞれの人の歩みを聞くことで、「そんな考え方あるのか」「そんな人もいるんだ」と、聞いていて人生のヒントになることも多いです。

また、コメディアンのPodcastなのでやっぱり面白い! ゲストとの対話も面白いですが、毎回、対話の前に、マークの短いモノローグが入ります。最近のマークの近況、考えていることが語られます。週に2回Podcastはアップロードされていくので、その近況を聞いて、マークが考えていることをシェアするのも面白いです。

Podcastについて

Podcastは、最新の50回分のエピソードは無料でダウンロードできます。毎週月曜日と木曜日にアップロードされ、WTFのHP、スマホアプリAppleAndroid、Spotifyなどでダウンロード可能です。それ以前のエピソードに関しても、You Tubeの公式WTFページや、一般の人がアップロードしたものが多くあり、手軽に聞くことができます。

ネイティブのPodcastなので、スピードは早いです。でも、人によってはかじりついて聞きたくなるくらい面白いです。そして、それを繰り返していたら、少しずつマークの英語になれてきました。

Podcastは今現在、950回を越えています。私自身、聴いたものは200未満だと思いますが、そのなかで印象に残っている、面白かったものを以下に一部リンクを貼ってみます。中でもオバマ大統領のエピソードは聴きごたえがあって、一番はじめに聞くととても面白いと思います! 下3つの回はWTFの公式You Tubeのアップロードがなく、個人の人がアップロードしたものしか見つかりませんでした。いつ消されてしまうかわからないので、名前だけ書いておきます(消されても、結局別の人がまたあとでアップロードする傾向があるため)。

Robin Williams
Garry Shandling
John Oliver

かつて聴き飽きない英語音源を探しても、全然見つかりませんでした。「絶対どこかにあるはずだろ!」と思い続けてしばらくたったとき、このPodcastに出あいました。つらいときに励まされる言葉もあれば、めちゃくちゃ笑える話もあっておすすめです。

よかったら聞いてみてください。読んでくださってありがとうございました。

1冊で、9人の著者から考え方や基礎知識を学べる本「考える力をつくるノート」

「段取り力を手に入れたい」
「脳の働きなど、人間の特性を理解・利用しながらうまくものごとをすすめたい」

そんな風に思っていたときに、「考える力をつくるノート」を見つけました。知りたい内容に、ドンピシャな本でした。サラッと読めたけれど、参考にする部分が多かったので、本の紹介と今のところ感じた変化(実践して2日だけど)をまとめてみます。

9人の授業 9つのプレゼン

上の表現が、本書の雰囲気を伝えるのにぴったりではないかと思います。

まず、読んで解釈したうえで、本の内容をざっくり分類すると次のような感じのイメージでした(本の分類とは異なります)。

・脳の特性を活かす方法
・思考法、問題へのアプローチのヒント
・他から抜きんでる「自分」をつくる方法
・生き延びるための心理学

そして、これらのトピックは、脳科学者、コンサルタント、経営者、新規授業プロデューサー、精神科医など、異なる分野の9人がそれぞれ紹介します。

それぞれの分野を、9人の論旨を加えつつさらに具体的にすると、
<脳の特性を活かす方法>
・自分の才能を引き出す5つの方法 (茂木健一郎)
・脳にいい生活習慣 (築山節)

<思考法、問題へのアプローチのヒント>
・「自分の頭」で問題解決をする「地頭力」 (細谷功)
・「最小の労力」で「最大の効果」をあげる「仮説思考」 (内田和成)

・「暗黙知」などの「ライフハック」術 (小山龍介)
・相手の力を借りて目的地にたどり着く「クリエイティブ合気道」 (箭内道彦)

<他から抜きんでる方法>
・努力をし、信用を高め、経済成長への危機意識を高める (丹羽宇一郎)
・「自分ブランド」を作る (藤巻幸夫)

<生き延びるための心理学>
・心の病の変遷、心の整理をするために (香山リカ)

みたいになると思います。丹羽さん、香山さんは、どうしてもうまくまとめられませんでしたが、それ以外は、なんとなく誰が、どんな内容の話なのかのイメージはつくのではないでしょうか。

読んで感じた本のメリットは、本の厚みに対してはサラッと読めるところでした。9人の著者の内容が、普通の厚みの本1冊にまとめているため、それぞれの伝えたい内容が凝縮されています。そのため、著者の著作を読みたい人にとっては、導入の知識としてちょうどよいと思います(逆に言うと、著作を読んだことのある人にはものたりないかもしれないです)。

また、はじめに書いたように効率性、段取り力を上げたい人にもピッタリだと思います。例えば、効率性に対するアプローチにも、思考術、脳科学的見地、ライフハック術と、異なる視点を1冊でサクッと要点だけつかめます。私の場合、雑誌の特集のようにポイントがまとまっていて、すぐ実行できる内容の知識を必要としていたので、本の内容はそれに近く便利でした。

印象に残っている箇所、小さな変化(実践して2日だけど)

一番印象に残っている文は、「脳は休まなければいけない!」でした。文はそのあと、こんな風に続きます。

まず、はじめに知ってもらいたいことは「脳は長時間働けない」ということです。(中略)
気づいてあげてください! 疲労感は、脳の健康にとって重要な”シグナル”なのです。
たとえば、「眠い」というのは、脳が疲れているという状態です。あくびが出たり、集中力が低下してイライラする。まぶたがぴくぴくする……。これらの兆候も脳が疲れているサインです。こういう場合は、疲れの程度によって、睡眠、数時間の休養といった疲労回復の時間をとってください。

いつからか、疲労感は常にありました。疲労感があることが当たり前で、いつからか「そういうもんなんかな」と思っていました。でもこの文を読んでから、意図的に休むようにしています。たとえばライティングをするとき25分集中、5分休むというサイクルを繰り返すようにしています。5分でも休息をすると頭がスッキリし、集中力が長時間持続する感覚があります。この章と、もう一つ脳の章の内容を全体的に参考にするようにしたら、脳とうまく付き合う方法がほんの少し見えてきました。

一番大きな収穫は、やり方を知っていることで、かなり「楽さ」が生まれたことだと思います。「25分作業を続けたら、5分休む」というようにかなりシンプルなことなのに、生産性が上がり、イライラが減って健康的な脳の使い方をしていることを実感します。

さいごに

私の例は少し極端でしたが、本には様々な見地からの「こういう仕組みだから、こうするといいよ」「こんなふうにすれば、うまくいくよ」という考え方の「コツ」が書かれています。

「地頭力って気になってたんだよな」「茂木さんの本に興味がある」…など、ちょっと気になる単語があったり、著者がいた場合は、読んでみると面白いと思います。上の例はまさに私のことで、ずっと地頭力に興味があり、茂木さんの本を読んでみたかったので、とてもいい導入本になりました。

読んでくださって、ありがとうございました。

若林正恭著『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を読んで

あるとき、アマゾンでオードリーの若林さんの「社会人大学人見知り学部 卒業見込」という本を知りました。めちゃめちゃレビューがいいので気になっていたのですが、なんとなく読む機会を逃してました。

先日たまたまテレビをつけたら若林さんがMCをやっている「激レアさんを連れてきた。」が放映されていました。なぜか「あの本、読もう」と急に思い読んでみたところ、めちゃめちゃよかった。今日は感想をまとめてみます。

あらすじをざっくりとまとめると、こんな感じでしょうか。

2008年12月、M1グランプリで2位になってからオードリーの生活は激変する。大学を卒業後、お笑い芸人を目指し今の事務所に入った著者にとって、そのときがはじめて自分が社会に参加しているという感覚だった。30歳の頃だった。それゆえ「社会」のなかの出来事は、著者にとって驚きの連続だった。本は雑誌「ダ・ヴィンチ」の連載をまとめたもので、著者が「社会人2年目」のときから始まっている。本では社会人2年目、3年目、4年目、真社会人と、著者の気持ち・考え方の変化、社会との関わり方の変化を追うことができる。

「”確か”なもの」と「小さなノック」

著者が社会人3年目のとき、言葉と感情を選ぶようになったという始まりのエピソードがあります。円滑に社会と渡り歩くために、対外的な反応ばかりに気を取られ、自分の本心はどうでもよくなっていき、自分の素の気持ちがわからなくなっていったそうです。そんなとき、その1年前から始めたボクシングのスパーリングの練習のときのこと。左のボディーブローが、右のわき腹にもろに入ったそうです。苦しい、ムカつく。そんな風に感じながら立ち上がろうとしたとき、その気持ちが”確かな”ものだと気づき、こんな風に思ったそうです。

(痛いのは嫌だけど”確か”なものっていいよね!)

(嘘偽りのない”自分”お久しぶりです!)

・・・・・

本の感想をうなって考えていると、ある瞬間で「あっ、この話と同じだ」と思いました。本に書いてある話は、この話のようにみんな「確かなもの」だと感じたのです。そして確かなものだから、自分の心の扉を何回もコンコンとノックしてきます。

心が揺さぶられた文はいくつもあったのですが、そのなかで一番、影響を受けたのは次の文章でした。

 これまでぼくは起きもしないことを想像して恐怖し、目の前の楽しさや没頭を疎かにしてきたのではないか?
深夜、部屋の隅で悩んでいる過去の自分に言ってやりたい。そのネガティブの穴の底に答えがあると思ってんだろうけど、20年調査した結果、それただの穴だよ。地上に出て没頭しなさい。

私は若林さんの性格と似ているところがあって、この描写を読んだときはハッとしました。自己肯定感が低くなったとき、何か新しいことに挑戦しようとして不安なとき、一気に底なしの沼にはまりそうになります。本にはこの話以外にも、「ああ、わかるなあ」から「ああ、聞きたくないなあ」まで、たぶんネガティブになりがちな人には「あーわかる」と納得できる話であふれている気がします。

でも、上の話もそうであるように、若林さんの話はみんな「後ろ」ではなく「前へ」と進んでいきます。目の前の現実、自分と対峙し、自分のなかで試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ進んでいく様子が本にはまとめられています。

ちなみに、上に引用したネガティブの穴の底のエッセイの最後の文は、「ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ」です。今まで読んだどんな本でも見たことのない文で、でも著者の言いたいこと、感じたことが感じ取れる文章でした。そして言っていることに納得もできる、だから心を打つ。本にはそんな文章がそこここにありました。

本を読んだあと、本に書かれている言葉をよく思い出します。特に引用した箇所は、ネガティブになりそうなとき「その穴を掘っても何もないよ」と、どこからともなくフッと浮かんできます(笑)。

人にもよるかもしれませんが、いわゆる自己啓発の本を読んで自己改革をしようとしているときより、この本の方がガツンと胸に刺さりました。自己啓発の本はどこか「ふわり」と肩をなでていくようなところがあるけれども、この本には「ああ、わかる」という実感がともなうからかもしれません。そして「ああ、わかる」と思えた人がどう思い、何をしたのかは、自己啓発の本を読むよりよっぽどリアルで、自分のいろんなことにダメだと思えたり、自分を前向きに変えていきたいという思いにつながったりしました。読んでよかった1冊でした。

今は著者の2冊目の著作、「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」を図書館で予約して読める日を待っているところです。いつになるのかなあ…。

「こうやって、考える」を読んで

先日、図書館で背表紙借りした本がありました。真っ白の背表紙に本のタイトルだけシンプルに「こうやって、考える」と書いてあります。本を手に取り表紙を見ると、これもまたいい感じです。

すぐ借りてしまいました。著者は知りませんでした。「外山滋比古・・・。日本の人なのかな? なんて読むんだろう・・・」からのスタートでした。でも、この本が面白かった。今日は読んでみた感想を書いてみます。

後で調べてみると、東大生・京大生に支持されている「思考の整理学」という本で有名な方だということを知りました。評論家、エッセイストとして、また過去には大学で教鞭を執られていて、現在94歳という。すごい!

本は、著者の21冊の著作のなかから、発想力や思考力を磨くヒントになる言葉を抜粋してまとめた箴言集です。なので1ページに「メモの習慣を身につける」という見出しがあり、その横に短い引用が書いてあるシンプルなつくりです。発想力の鍛え方、考える過程についてのヒントから、日々の生活や読書、おしゃべりのなかにある発想力、思考力を磨くヒントなどまで、合計で150個のヒントがまとめられています。

少しずつしみこんでいく文章

自分の日常生活において、はじめはなれないことでも、何度も繰り返すうちに自分なりに「こうやったらうまくいくんではないか」と小さな知恵を見いだすことがあります。この本に書いてあることは、著者バージョンの「知恵」がつまったものだと感じました。

私にとって、それらの文章は自分のなかに少しずつしみこんでいくようなもののように感じられました。その理由としては、自分でも気づいたことが書いてあったり、直感的に「そうかもしれない」「ほんとうだ」と思うことがたくさん書いてあるからだと思います。自分が頭のなかでモヤモヤッと破片で感じていたこと、困ったなあと思っていたことの答えやヒントのようなものが、きれいな整えられた文章で並んでいる、そんなイメージの言葉が多いです。

たとえば、書くことについて「書く衝動を逃さない」と始め、そのあとはこんな風に続いています。「本を読みたいという気持ちはときどき起こるが、ものを書きたいという衝動はめったにあるものではない。書くのは相当”不自然”なことらしい」。「確かにそれはそうかもしれない」と、頭のメモ帳にインプットしました。本を何冊も書いている人でもこんな風に思うのかと、少し励まされもしながら、言葉を吸収しました。

うなずける言葉が多いと、著者の言っていることを追うようにしてついていき、わからなくても理解しようとします。すると、今まで自分にはまったくなじみのない発想でも、「そうなのかな、試してみよう」と自分のなかに少しずつ著者の発想がしみこんでくる感覚がありました。

たとえば、今こうやって本の感想を書くようになりましたが、これは最終的にはこの本がきっかけでした。著者は本の感想を書くことをすすめ、こう書いています。「本などもただ読みっ放しにしないで、あと、かならず感想を書く習慣をつけるようにしたい。これがどんなに我々の精神を大きく豊かにしてくれるか、はかり知れない」。理由はこまかく語られていないので、何がどうよいのかはわかりません。だけど、この人が言っているなら書こうと思い腰をあげて書き始めました。

言葉の矢は前から後ろから、上から下から斜めからと、様々な方向から飛んでくるような感覚があります。だからあるときには、「あ、この悪い例はまさに自分だ」と、矢がグサッと刺さることもあります。そして多くは語られないということもあり、正直、今読んでもいまいち内容を理解できないところがあるのも事実です。

言葉だけだとわかりにくいので、「前から後ろから・・・」の矢を、全7章ある1章ずつの見出しから、「わからない・・・」「面白い発想だなと」思ったところを抜粋してみます。

・編集視点で考える

・”ことわざ”をつくる

・知識は「死んだもの」と考える

・人生を二毛作化する

・(本に)影響を受けすぎない

・あえてゆっくり話す

・散歩をスポーツに

見出しから意味が想像できるもの、かつ自分がまだ納得できていないことを多く選んだので、少し特異な見出しが多いと思います。でも、前から後ろからのニュアンスが伝わるのではないかと思います。

何か困ったとき、パラパラっとこの本を思い出してめくりたい、そんな風に思いました。悩んだときは、一点に視点が集中しがちです。でもそんなときに、前から後ろから斜めから飛び込んでくる矢を受けて、「ああ、そんな発想あったんだ」と思い返したいと感じました。きっと悩むときで、響く言葉が違うと思います。ひょっとしたら、今わからないところはその頃には普通にわかるようになっているかもしれない。それもやはりこの本の魅力だと思います。少しずつ自分に本の内容がしみこんでくるのです。

違う視点からのアイデアがほしい人、自己啓発の本を読みたいけどいわゆる自己啓発の本とは違うアプローチをという人にとって、この本はパラパラめくると面白い本だと感じました。普通に前から読むというよりは、ちょっと時間が空いたときにパラッパラッとめくったり、気になった項目を飛ばし読みしていくとより本の持ち味が引き立つような気がします。よかったら読んでみてください。

買ってよかったもの。CELECの「GAV-3/S ニューギヤマンVポット」

長い間、なんとなくティーポットを探していました。でも、探せども探せども「これだ!」というものには出あえませんでした。あきらめかけていたとき、たまたまカフェでCELECのポットに出あいました。一目惚れで、買ってしまいました。

最近はブログを書いているとき、ティーポットに飲み物を入れそばに置いて飲みながら書いています。先日、ティーポットを見ながら、やっぱりいいなあ~と思いました。

そこで今日は、商品レビューをかね、「ティーポットを探している人、これいいですよ!」という思いをかねて、CELECのポットについて書いてみようと思います。

まず私が使っているものは、「GAV-3/S ニューギヤマンVポット クリア(陶器蓋)」というものです。商品にはGAV-2/Cというものもあります。3/Sの満水容量が480mlに対して、GAV-2/Cの容量は300mlということです。

以下は、容量480mlのGAV-3/Sについてのレビューです。自分がよい、悪いと感じる順に書いていきます。

メリット

1.デザインがいい!

極論を言うと、これだけの理由で買いました…。はじめて見た人はたぶん、この白いふたにおどろいたのではないでしょうか。私もおどろきました。カフェで見たときは、ふたが透明だったのです!

仕様が2つあるようです。陶器の白いふたと、樹脂でできている透明のふた。できれば自然な素材がいいので、白いふたにしました。はじめ買う前は、なんでふただけ白いんだろう…と悩みましたが、気づけばいまは慣れて気になりません。

2.丈夫

測ってみるとガラスの厚さは全体的に4㎜程度あります。家にもともとティーポットがあったので、そのティーポットの厚みを測ってみました。お湯をやかんからポットに注ぐときの注ぎ口で2㎜で、下にいくと少し薄くなっているように感じます。

それぞれの重量も測ってみると、家のポットがCELECのポットよりもう少し容量が大きいけれど、230g。対してCELECはドーンと620g。厚さというか丈夫さが、なんとなく伝わればいいのですが…。

3.目盛りがある

写真だと見えづらいですが、480mlのティーポットには、150mlから450mlまで目盛りがふってあります。紅茶をいれるとき、いつもなんとなーく淹れていたのでこれはありがたいです。

4.なんでも合う

紅茶でもハーブティーでもいいし、CELECのオンラインショップをのぞいてみると、出汁とりもすすめられていました。

コーヒーはドリッパーのサイズによるので、手放しでおすすめはできないです。家にある3つのドリッパーと合わせてみたら、ぴったりマッチするものはなかったです。下の写真のいつも使っているドリッパーも、うまくいけばこけることなく淹れられますが、ちょっとよそ見をしたりすると、バランスを崩してドリッパーが傾いてしまいます。でも、目盛りもあって便利だし、おしゃれだしと私は使ってしまっています。

5.洗うときのストレスがない

写真の通り、注ぎ口が閉じていないし、やかんから湯を入れる口も広い。しかも厚手。薄手のティーポットは繊細でおしゃれだけど、その分扱いが難しかったりします。家にあるティーポットは、ふたの取っ手もとれちゃったし、注ぎ口もかけてしまっている。悲しい…。とにかく厚いから、そういう悲しみのストレスがないのがうれしいです。

6.耐熱ガラス

私自身はレンジで使ったことがないけど、きっとそれはありがたい! という人も多いと思います。

というのが、しばらく使ってきて感じたよさです。ティーポットは、今年買ったお気に入りの商品です。ただ、メリットが転じて気になる点にもなっているのも事実です。そこで、感じているデメリットもまとめてみます。

デメリット

1.重い

先ほど触れた通り、容量480mlのものは重量は620g。家にもともとあった230gと比べると、2.5倍以上です。丈夫な分、手にずっしりきます。

東急ハンズのオンラインショップで調べてみると、ビールの中ジョッキがエビス400mlで640g、アサヒ435mlで660g、キリン435mlで680gだそうです。なので、空のティーポットはエビスの中ジョッキくらい(あんまりエビスの中ジョッキ見ない気もしますが…)、液体を入れればその分重たくなっていきます。例えが変ですが、これが重さの一番イメージがわきやすいと思ったので、許してください。

2.容量480mlのものについては、やけに大きく感じる

家にもともとあったティーポットの方が、容量は480mlより大きいです。サイズ感としては、本体の高さはCELECのほうが高いけれど、横幅は家にあったものの方が幅が広い感じです。だけど、CELECのティーポットの方が大きさを意識してしまいます。たぶん、ポット自体の厚みや、どっしりとした重量感にあるのかもしれません。

3.しいていうと、熱湯を注ぐときに目盛りがくもって、湯量がわからなくなる

でも、目盛りがあるだけで感謝! なので、あくまで「しいていうと」程度です。

感じ方の変化

カフェでティーポットを見ただいぶあと、商品はネットで注文しました。実はそのとき、サイズ表記をしっかり見ていませんでした。というより、ティーポットに複数サイズがあるとは思わなかったから、考えもしなかったのですが…。届いたものは、カフェで見たのよりだいぶ大きかったです。そう、カフェで見たのは容量300mlのものだったのです。

だから、正直はじめ商品を受けとったときは、びっくりしました。「でかっ!」と。そして手に持ったら「重っ!」と。使い始めてからも、コーヒーや紅茶を淹れるのは多くても300mlほど。だから、使い始めてからもやっぱり重さが気になってしまいました。でもそれはたぶん、私が見たのと違うという勘違いも影響しているのでしょうが…。

でもここ数日はこんな風に、カフェオレを大容量で作り、ブログを書きながら飲むという方法を見つけました。

しっかりティーポット、ミルクを温めて作れば案外冷めず、写真のように小さなカップでチビチビ飲めば、しばらくはあったかいまま飲めます。大は小を兼ねるということで、今は大きい容量を買ってよかったなあ、結果オーライだったなあと思っています。

さいごに

たまたま行ったカフェ以外で、実物を見たことがありません。だから手放しでいいですよ! とは言いがたいです。なぜなら、ものを使うときは、重さやもののまとっている雰囲気も重要なポイントになると思うからです。正直私が持っている480ml容量に関しては、売り場で見つけたとしても、即決で買うかどうかはわかりません。上の話のように、使い始めてからも重さがだいぶ気になったからです。

でも今となっては、お気に入りで大切にしているものの一つです。なので、今回は投稿してみました。もしティーポット欲しいんだよなあと思っている人は、よかったらネットで見てみてください~。

「仕事は楽しいかね?」を読んでから、ブログを1週間続けて感じること

「仕事は楽しいかね?」を読んでから、ブログを始め1週間が経ちました。たった1週間ですが、いろいろ変わったなあと感じています。

よく反省し、なにかと気づくことが増え、行動が変わり始めました。今日はせっかくなので、具体的にどんな風に変わったのかを書いてみようと思います。

Evernoteの一言日記

先日、このブログをタブレットで書くとき用に、Evernoteをダウンロードしました。新しいアプリを、もっと使ってみたかったのでしょう。なんとなく書く分野について感じたことを毎日、短く書き残すようになりました。

もちろん公表するつもりはなかったので、かなり恥ずかしい内容です。でも一番変化がわかるので、一部をのせてみます。

ブログ開始から2日目 8/19 自分に、自分の文にイライラしてくる。

3日目 8/20 言葉があふれてくるようになった。書けた。ただそれだけで気持ちがいい。

4日目 8/21 これなら書けるかもがでてきはじめた。続けるにつれてほんの少しの自信になってきた。(書くのが)不安で不安で怖くて怖くて仕方がない。

5日目 8/22 人に読んでもらう文がへた。だれに向かってかいているのかわからない。

6日目 8/23 できた。うれしいなあ。でもやっぱり日記調になっちゃう。

7日目 8/24 取りかかる前は、めちゃくちゃいやだけど、一度取り組むと案外熱中する。

8日目 8/25 やっぱり書くときは、よく考える。一文一文が長くて読みづらい。

だいぶ恥ずかしいですね…。でもとりあえず、どう変わっていったのか、先に進みます。

反省するようになった

これについては、説明はいらないかと…。反省ばかりするようになりました。でも、不思議なことにいやじゃない。実はちょっと前まで、誰も見ない独り言日記ブログを数か月間毎日続けていたのですが、その頃より全然モチベーションが高いです。なんでだろうと考えていたのですが、それが次のことに続く気がします。

気づくことが増えた、行動が変わった

毎日続けてきて、次のような変化が生まれた気がします。

今)このトピック書いたら面白いかも→試す→読みづらくて反省する→でも毎日続けることで、感じることがちょっとずつ変わってくる→自分が変わっていることも感じる→楽しい?

それに対して昔は、毎日書くことを決まりにしていたのですが、こんな風に感じていました。

昔)書かなきゃ→そのうち「とにかく書けばいい思考」になる→積極的に「こうした方がいい」「ああした方がいい」も考えない→書くことが目的になってしまっている→つまらない、やめようかなあ…

今回ブログを始めたとき、毎日書き続けると決めてはいませんでした。もちろん、そうなればいいけどなという思いはありましたが。そんな揺れる思いのなか、2日目に頑張って書いたら、3日目からは自然と「書かないと」と書く流れになっていきました。

今回、この投稿を書くにあたって、漫画版の本を再読しました。すると、「ああ、なんとなく私が感じていることを言葉にするとそうなるんだ」という箇所を何か所も見つけました。そのなかで一番、今回の変化にマッチした言葉は2つありました。一つがこちら。

「いろいろ試し、起きている偶然に気がつき、新しいことを始めてみると———そこで得られる楽しさは格別なものです」

「偶然」というのは、本では失敗にも転じるけれど、うまくすくいあげて活かされたもの、みたいなニュアンスで使われています。

先日から数日、富士登山前に荷物の準備など、私自身が困ったことについての投稿しています。事前にしっかりみっちり調べれば困らなかったのでしょうが、登山前々日にパッキングをしながら富士山事情をしっかり調べ始め、情報が見つからず四苦八苦していました。そのときは夜の11時に、なんで前日になる前にもっとちゃんと調べなかったんだろうと途方に暮れていたのですが、今はあの経験が活きました。先日散歩をしているときに、「あ、あのわからなかったことについて書いてみたらいいかも」と思い、翌日には書いてみました。

そうやって、思う→行動のサイクルが早く、なにか波に乗れているのか、この言葉もしっくりきました。

「試すこと」は繰り返すたびに「不安」よりも「楽しみ」のほうが大きくなっていきます。

はじめの一言日記の通り、最初は「(書くのが)不安で不安で怖くて怖くて仕方がな」かったです。気持ち悪くなってました。でも、繰り返すことによって慣れてきて、恐怖以外の面も見えてくるようになり、試すことを楽しみ始めている気がします。

私が一番驚いていることは、「書き続けるという点では同じことなのに」ということです。数か月にわたって書き続けていたので、書き続けること自体には慣れています。でも感じることも、行動も昔と今では全然違います。そこで考えさせられたのが、正のスパイラルを起こさないと、いい流れは生まれないということでした。昔の「書く」は完全に負のスパイラルをグルグルしていたなあと。

もし1週間経っての「仕事は楽しいかね?」に対する気づきを加えるとしたら、「昨日とは違う自分になる」ことを『楽しむ』ということなのかもしれません。

昔、この本は表紙とタイトルだけで本を読むのを避けていました。でも今や、だいぶ影響されて、漫画だけじゃなくて本も読んでみようかと思い始めています。人ってきっかけ次第で案外変わることができるものなんですね。

富士登山前に話題になることを、登ってみて私なりに考えてみた。

登山靴。登山前のトレーニング。高山病の心配。

登山前によく話題に上る問題です。いずれも入念に準備するに超したことはないでしょう。でも私は結局、靴は買わず、トレーニングも大してせず、高山病にもなりました。

そこで今日は、した方がいいことをしなかった人はどうなったのか、なぜ高山病になったのか、という視点から今日は投稿してみたいと思います(高山病は予想ですが)。主に残念な結果になった失敗談です。

あくまで個人の体験談なので、「ふーん、そんな人もいたんだ」程度の軽い気持ちで読んでいただけたらさいわいです。

登山靴

富士登山は、私にとって初の本格登山でした。本格的な登山だし靴も買おうかとも思ったのですが「せっかく買っても、使わなかったらもったいないなあ」と買いませんでした。それと、初心者用のクッション性のあるマラソンシューズは持っていたので、普段靴よりは丈夫だしいいやと買いませんでした。

結果は、底がだいぶすり減りました。10キロのマラソン大会に数回出たり、半年以上、歩いたり走ったりトレーニングで使っていたため、靴はそこそこすり減っていました。でも、「まあ、まだあと少しはなんとかなるか」くらいの状態でした。それが今回帰ってきてからみると、「もうそろそろ買い替えたほうがいいかも」くらいの状態になりました。

登山靴でないデメリットは、他にもありました。一緒に行った友人の登山靴を見るに、登山靴は足のホールド性が長けていたように見えます。マラソンシューズでは、下りのときが特に、足が靴のなかで前後に動いてしまって安定性に欠けました。また、マラソンシューズは特にかもしれませんが、靴の作りが薄いので、体重が前後にかかり破れてしまわないか不安にすらなりました。

結論から言うと、登山靴じゃなくても登れました。でも、マラソンシューズは運動用なので、タウンシューズよりはよさがありますが、それでも弱さを感じました。ちなみにタウンシューズで登っている外国人と数人の日本人は見ましたが、やはり大半は登山靴だったように思います。私は、マラソンシューズをすぐに新調しなきゃいけない事態になるのなら、ときどき友達と山に登るので、登山靴を買っとけばよかったと後悔しました。

この失敗談から言えることは、普段靴で行くなら底のへりは覚悟してください! でしょうか…。私はお気に入りの靴で、そこまですり減ることを想定していなかったので、かなりへこみました…。買わなくてもレンタルするのもありですし、もし登山やるかもなあ~とちょっとでも思うところがあるのなら、買うのもありかもしれません。

登山前のトレーニング

前述の通り、10キロのマラソンレースに時々出場していました。そのため一時期は毎日歩いたり、数日に1回走ったりしていました。しかし、登山の4か月前から足首を痛め、登山を決めてから数か月の間は、数日に一遍30分歩く程度しか運動はしていませんでした。それでも、それまでつけた筋力が多少でも残っていたのか、歩ききることはできました。

けれど、下り切ったときは心底疲弊してました。登りは全然大丈夫だったのですが、下りが本当に苦痛でした。太もも? ふくらはぎ? が長時間下り続けること、長時間太もも・ふくらはぎに負荷がかかり続けることに慣れていなかった気がします。その苦手な時間が何時間も続き、日差しもギラギラと降り注ぎ、少しずつ体をむしばんでいった気がします。

そのため今もう一度登るならば、下りの負荷に耐えられるようにスクワットなどのトレーニングを強化すると思います。また、歩き続けることになれるために、日々の生活に歩く要素をちょこっとずつ増やしていくと思います。私は、練習登山や、長距離を歩けというのはハードルが高いからどうしようかな~と思っていたら、登山当日になってしまいました。今ではそうじゃなくて、日々の生活で筋力、心拍数を上げるトレーニングを重視すればよかったのだなあと思います。

高山病

実は高山病にならないように、結構気を使いました。5合目に着いてから1時間以上は体を慣らし、宿も7合目の下から2番目の宿にしました。休憩もこまめにとりましたし、休憩のたび水もちょこちょこ飲みました。

それでも高山病になった理由は、たぶん頂上目前で急にペースを上げて登ったことにあると思っています。空が明るんできたのは、頂上まであと少しというところでした。道はそれまでずっと渋滞していたのですが、「あと少しでご来光」というときから、多くの人がご来光を待つために登るのをやめ、道のわきに座り始めました。そのとき、できるだけ上のほうでご来光を見るために、今までの倍以上のスピードで登り始めてしまったのです。

すぐには異常はなかったのですが、頂上についたときくらいから、体の調子が悪くなり始めました。頭が痛くなり、なんだか調子がよくない。それでも意地でお鉢巡りはしたのですが、その頃には調子はもっと悪くなりました。はじめは高山病だと思わなかったのですが、今思えば完全に高山病でした。頂上が見えても油断は禁物、それだけが言えることです。それまでが快調だっただけに、ほんとうに悔しい思いをしました。

さいごに

だいぶん情けない話を書いてきました。でも、したほうがいいことの情報はどこでも見つかるけれど、失敗談は案外ないなあと思い今回は書いてみました。特に高山病のところは、同じ思いをする人が生まれてほしくないです。お鉢巡りなんて、途中からずっと「早く終わってくれよ」と思っていたので…。

私の富士山にまつわる投稿はすべて、不信による疑問が原点で、たいていすべて「ああ書いてある通りにすればよかった」と思っている気がします。今日もそんな失敗談を今回も書いてみました。読んでくださってありがとうございます。

富士登山前の「?」を振り返る 時間編

こんにちは。今回は前回に引き続き、富士登山での時間の話について書いてみます。

投稿をしようと思った理由は、私自身が登山前、かかる時間が読めずに困ったからです。吉田ルートを選択し、新宿から富士スバルライン5合目に向かう計画で、行きの計画は良かったのですが帰りのほうが困りました。

旅程は一泊二日で、泊まった山小屋は全山小屋の下から二番目。2日目の負担が大きく、夕方までに戻ってこられるのか不安になったのです。コースタイム上ではもちろん間に合いそうだけど、休憩を含んだ時間のイメージが初の本格登山だけにわいてきませんでした。登山道の雰囲気についても、本を読んでも未知の世界過ぎて全然想像がつきませんでした。

そこで今日は過去の自分の「?」を踏まえながら、実際にかかった登山時間を、山の雰囲気の写真、実際に起こったことを交えながら書いてみます。

実際にかかった登山時間

先にごめんなさい!
ところどころあいまいな時刻表記があります。携帯で写真を撮影した時間をもとに書き起こしたのですが、場所によっては写真を撮る気力がありませんでした…。写真の時刻と記憶をつなぎ合わせたため、時間に幅があるところが一部あります。また地点も微妙に中途半端なところが多く、下りにいたっては疲れ果ててしまって、下山開始時刻と5合目到着時刻のみです…。

11:40頃 富士山5合目着(ごはん、お参り、身体をならす)

13:45 5合目出発
はじめは平たい広い道で、途中からはゴロゴロとした岩を登っていきます。

14:27 6合目着

15:33 花小屋着(休憩)
写真のような、ジャリジャリした感じの道が続きます。金曜日に登りましたが、人はそこそこいました。右の写真は花小屋から見上げた山小屋の数々。

15:45頃 7合目日の出館着(16:30夕ご飯)
右はいろり。すでにちょっと肌寒い。

17:30~18:00頃 就寝

翌日
0:39 日の出館出発
7合目はひたすらごつごつした道、8合目からははじめのようなジャリジャリした道に。

2:56 8合目元祖室着
3時でこの時点の場合、残りのコースタイムはあと1時間半ほど。ご来光頂上で見えるんじゃないかと期待を抱きましたが甘かった…。

登るにしたがって道も混雑し始め、道幅も狭くなっていきます。

4:12 左)空が明るくなり始める、右)4:50ご来光
明るみ始めたころには登山道は渋滞。

余談で失敗した話:明るみ始めるにつれ、ご来光を待つ人がわきに座り込みました。できるだけ頂上でご来光を見たいと思い、ここから急ぎ気味で数分間登り始めました。それからだんだん調子が悪くなり、高山病になったことに気づきます。本には「頂上が見えても油断しないように」と書いてあったのですが、本当にその通りでした。トホホ…。

5:30~6:00 頂上着

6:30前後~9:00前頃 お鉢巡り (出発前15分仮眠)

9:40 頂上出発

14:08 5合目着

15:00 新宿行きバス乗車

コースタイム・実際かかった時間の比較

私たちの場合は、どの地点でもおおよそ±30分程度でした。

コースタイムは「登れる富士山」記載時間を参照。本では花小屋までの所要時間で計算されているため、花小屋についた時間で計算します。

先に注意が必要な点
正直、1日目の5合目~7合目区間のみが両者が同じ条件のもとでの比較です。2日目の7合目~頂上区間は、私たちの時間には渋滞込みの時間です。お鉢巡りも高山病の症状を感じながらの歩行で、かなりコンディションが悪いなかでの比較になります。条件がよかったら、いずれももう少し早いと思います。

1日目 5合目~7合目花小屋
コースタイム2時間10分 | 実際1時間45分(差-25分)

2日目 7合目~頂上
コースタイム4時間15分 | 実際4時間50分~5時間20分(差+35分~1時間5分)

頂上~お鉢巡り
コースタイム1時間20分 | 実際2時間ほど(差+40分ほど)

頂上~下山
コースタイム3時間50分 | 実際4時間30分(差+40分)

下山時間について補足
下りにかかった時間は、人によってバラバラかなと感じました。というのは、私は下りがかなりつらかったです。対して一緒に登った友達は「コツをつかんだ」と言って、滑りながら私の二倍くらいの速度で下り、何度も待ってもらいました。実際、周りを見ても友人同様速度の速い人と、私のようにゆったり歩いている人にわかれていたように思います。もし友達が1人で下ったら、あと1時間は早かったんじゃないかと感じています。

登山計画を立てるとき参考になった本

「富士山チャレンジサポートブック」
この本のいい点は、何人もの個人の体験談が掲載されていることです。各登山道ごとに、旅程別(日帰り、一泊二日など)の時間記録、お鉢巡りのあるなしなどの記録がまとめられています。他にも持っていってよかったものや、「足が痛みすぎて馬に乗った」など、経験談として参考にできる話が多かったです。

私は図書館で登るかなり前に借りたのですが、実際に細かい旅程を立てるときにそばになく困りました。もう一回借りればこんなに困らなかったかな…と思います。

さいごに

普段山登りもしない一般人の登山時間を、一つのサンプルとして書き起こしてみました。ところどころ、微妙な地点、幅のある時間表記にはなっていますが、何らかの参考情報になればさいわいです。

最後の最後に。初・本格登山ということで、高山病にはかなり警戒し、宿もかなり下のほうをとりました。それでも、最後の最後でうっかり油断してやられてしまいました。高山病になるまでは快適だったので、ほんとうに惜しかったです。頂上が見えても油断は禁物でした。みなさんも、気を付けてください!

富士登山前の「?」を振り返る 荷物編

8月3日にはじめて富士登山に挑戦しました。途中から高山病っぽい症状があらわれ大変でしたが、真夜中の星空と雲海はとてもきれいで今も忘れられません。

今日から数回にわけて、富士登山の体験について投稿していこうと思います。内容は主に自分が調べても事前にイメージが掴めずに困ったこと、実際に登って感じたことについてです。これから登る方に、体験談として読んでいただけたら幸いです。

今日は荷物について書いてみます。荷造り中一番悩んだのが、登山中の服装をどうすればよいかでした。なのでそのあたりのことと、持っていった荷物のなかで持っていってよかった、持っていけばよかったと感じたものについて書いてみます。

服装云々の前に…

まず服装は、登山期間中のいつなのかと登っている時間によって変わるので、そのあたりのことを先に。まず旅程は8月3日昼~4日の一泊二日です。天気はともに快晴、気象庁の頂上の気温データは次のような日に登りました。

3日:平均気温8.5度、最高気温12.4度、最低気温5.6度
4日:平均気温7.4度、最高気温13.3度、最低気温5.5度
8月の気温を見ると比較的高い方です

吉田口ルートを選択し、宿は7合目の日の出館に泊まりました。2日目は深夜0時半過ぎに出発、5時少し前に9合目でご来光を望み、5時半頃山頂に到着、9時過ぎに下山開始、14時過ぎに5合目に戻るという感じでした。

持っていった服と場所ごとの服装

服を脱いだり来たりした場所はおおよそです。

8/3 14:05~ 6合目~7合目まで
半袖+アームカバー

8/4 0:40~ 7合目出発
半袖+フリース、ニット帽

3:00頃~ 8合目付近~頂上まで
長袖シャツ+半袖(長袖の上に)+フリース+薄手のナイロンパーカー(ユニクロのポケッタブルパーカー)+(途中から)ユニクロのウルトラダウン

5:30~6:00頃 頂上~下山開始前まで
はじめは寒いので上の通りの全装備→日差しが出るなかお鉢巡りをしながら少し薄手に

9:40~ 下山開始~下山まで
長袖シャツ+半袖(長袖の上に)+ユニクロのポケッタブルパーカー→途中から長袖シャツ+半袖 OR 半袖+アームカバー (ごめんなさい、ここだけ記憶があいまいです)

*下は全旅程サポートタイツ+登山用長ズボンを着用。手袋、ハット(日中)も使用

あってよかったもの、あればよかったもの

便利だったもの

潰れやすいペットボトルに入った水
「いろはす」や「南アルプスの天然水」などです。潰し切ったところでキャップを閉めれば手のひらに収まるサイズになり、リュックに余裕がなかったのでとても便利でした。おすすめです。

ドライフルーツ
行動食として飴、チョコより重宝しました。疲れた体は自然な甘さを欲し、すごくおいしく感じました。私はレーズンを、一緒に登った友達は清美オレンジを持っていきました。レーズンは疲れていても、袋を開ければパクパクつまめ勝手がよく、清美オレンジはクエン酸も含まれていて疲労回復効果も期待できよかったです。

「プルンと蒟蒻ゼリー」などのゼリー食
人によるのかもしれないですが、行動食として何か食べたくなっても、チョコ、飴といった固形のものはあまり食べたくなりませんでした。代わりにゼリーや、小さなパウチパックに入ったスムージーなど、スルスル食べられるものを食べたくなりました。

耳栓
山小屋で仮眠をとるとき、あってよかったです。私たちの隣では袋をずっとカサカサやっている人、いびきがすごい人が入れ替わりでいました。「いらんかもなあ」と思いながら持ってきたのですが、持ってきてよかった。いびきの音が大きすぎて眠れなかったのですが、耳栓をしたらほんの少しだけ眠ることができました。

登山本のキンドル版をスマホアプリで
万が一何かあったときのために、登山本のキンドル版を1冊購入し、スマホのアプリにダウンロードしておきました。万が一はなかったですが、スマホをポケットに入れておいてコースタイムをさっと確認したり、ルートの確認を山小屋でできたりと重宝しました。「登れる! 富士山 山登りABC」という本を利用しましたが、実用的でよかったです。富士登山前の情報収集の1冊としても、おすすめです。

ちなみに持っていったものはこんな感じでした。

これを持っていけばよかった

マスク
下りが砂ぼこりがすごいので、持っていけばよかったです。体験談で読んでいたのに、忘れてしまいました…。

本格的なサンマスク
登山前日、顔の側面を日焼けから守るカバーのようなものを買いました。目だけしか見えない本格的なサンマスクとどちらにしようか迷ったのですが、ここまでしたらやりすぎか、浮くか…と少し心配になりやめました。しかし、やめなきゃよかった…。高所の日差しは強く、登山翌日に鼻の皮はむけてしまいました。しかも案外、目しか見えない登山者もそこそこいた…。あくまでそこそこ程度で、いっぱいはいませんでしたけど…。もし浮かないかしらと迷っている人がいたら、案外大丈夫そうですよと伝えたいです。

2枚目の手袋
手袋2枚を推している人が他にいないか調べたのですが、サラッと調べた限りいませんでした…。なので、こんな体験をした人もいるんだなあ程度の、参考情報として読んでいただければ。手袋は、メリノウールのものを終始着用していました。真夜中、8合目くらいまでは問題はなかったのですが、9合目くらいから手袋1枚では手が冷えてしまいました。頂上の売店で軍手が売っていたので購入して、メリノウールの上から二重で使用して冷えはおさまりました。500円もしたので、持っていけばよかったなあと感じています。

絆創膏などの救急セット
今回は使うことはなかったけれど、持っていないと少し不安でした。

さいごに

22Lのリュックで行きました。旅行時の荷物の少なさでは自信があったので(?)、22Lでも大丈夫だろうと踏んでいたのですが、今回はかなりリュックと格闘しました。防寒具がスペースをとってとって。そのためとにかく荷物を減らしたくて…。本に書かれているものが本当にすべて必要か、ネットで各合目での気温を検索したり、雑誌や本の登山者の写真に目を凝らしたりもしました。でも頂上以外の気温はわからず、写真も何合目にいるかがわからないので役に立たないことが発覚…。なので小さい温度計を買って、実際の服と照らし合わせた投稿をしよう! と思っていたのですが、温度計を買うのを忘れてしまった…。なので事実の部分はない、ただの体験談になりました。

でも一つだけ言えたのは、本に書いてあるものは全部必要だったということ。頂上に近づくにつれて、寒くて寒くて。ニットなんていらんだろと思っていたけど、いりました。富士登山の本、雑誌は何冊も読んだのですが、読んだ中では上でも紹介した「登れる! 富士山山登りABC」という本が一番、各合目ごとの具体的な服装を説明してくれてあり便利でした。今照らしてみても、似たような服装をしています。はじめから疑わなきゃよかった…。

次回は、登山時間が読めず困ったので、そのことを書いてみようと思います。読んでくださってありがとうございます。